日記

好きなものと日常

DNA舞台・櫻農カプリチオの感想

 

7月6日、DDTプロレスリングの若手で構成されたDNAによる舞台、「櫻農カプリチオ」を見てきました。

 

プロレス団体が演劇界に殴り込み! 舞台「櫻農カプリチオ〜櫻ヶ丘農業高等学校狂想曲〜」が7月5日から上演

 

最初にDNAが舞台をするっていう情報が解禁されたときは「いや舞台ってまたそんな突拍子もないこと…」ってちょっと戸惑ってたんですが。この暇な期間(会社辞めて転職活動期間で新しい職場は8月からに決まったので7月は超暇)に東京に遊びに行こうとふと思い立ち、7月6日の我闘雲舞の試合に行くことは決めていたんですが、他になんか行けるようなイベントあるかなーって考えたときに「あ、そうだ櫻農カプリチオ見たらいいじゃん」って突然思ったので行きました…。

 

私が行ったのは7月6日14:30~の回。

学芸大学駅付近の千本桜ホールへ。チケット受付係の人、美人だな~と思ったら東京女子プロレスの滝川あずささんで、思わず本人の前で「えっ滝川あずささんですよね?!めっちゃきれい!!!」と叫んでしまった。

 

今回勢いで最前列を取ったら、舞台とゼロ距離で死ぬほど動揺した。

 

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この拙い説明図でおわかりいただけるでしょうか。開演前に取った写真ですが、座席番号が書いてある場所に敷かれた座布団に体育座りしたら、舞台に私の頭の影が映りこむレベルで近い。このキワッキワのところまで選手来たから。小さいライブハウスでライブ見るときとか「今日演者が近いなー」って思うことあるけど、その比じゃ無い。この時点でもうカルチャーショックがすごい。

なんか周囲もプロレスに詳しそうな人とか、比べ物にならないくらい本気でDNAを追っかけてる雰囲気の人が多くて、うわー最前列に私みたいなのが座ってしまってごめんなさいと思いつつ冷や汗をかきながら待機。

 

結論から言うとほんと見に行ってよかった!めっちゃ楽しかったし、これを見たことでそれぞれへの選手への思い入れがより強くなったので、試合見るときの感情移入度合いがさらに高まった!

 

《あらすじ》

廃校の危機に直面した問題児ばかりの櫻ヶ丘農業高校で、地元で生産している櫻米(さくらまい)を全国区で有名にすれば町の活性化に繋がり、櫻ヶ丘農業高校の存続が叶うかもしれないと思いついた高校生たちの熱血青春爆裂ストーリー。

 

ご覧になった方々みんな言及しておられますが、まず座長であり主役の上野さんの演技がよかった。ものすごいセリフの量だったけど危なげない。感情表現がうまいし大げさすぎることもなくて、ほぼ出ずっぱりでもずっと見ていられる。この自然さって何気に相当すごいことなのでは…。さすが主役に大抜擢された人材…!

そんで、演じてる間は、彼の目が学校のピンチを救うべく懸命に奮闘する高校生のキラキラした目になっていてびっくりした。オーラも希望に溢れた純粋でまっすぐな高校生のオーラになっていた。

上映後のアフターイベントで普段の上野さんに戻った様子を見たときに「えーー目とオーラまでちゃんと劇中の人物に変わってたんだーーー!!!」って一人感動してしまった。

あと劇中で上野さんと俳優の中村さんが2人で並んでちょっとだけ腕立て伏せをするシーンがあったのですが、上野さんの腕立てのフォームがあまりにもきれいすぎて見本のようで笑ってしまった。

 

悪役3人衆のうちの一人、MAO選手もよかったー!!あの悪役3人衆というポジションはふざける方向に振り切りすぎても劇の印象が変わってしまうし演じるの難しそうだなーとか考えながら見てたけど、MAOさんはピリッとさせるとこはきちんと締めて、はじけるとこではパァっとはじけて、緩急の付け方が上手だなすごいなって思いました。器用だ…。言葉で上手に説明できないんだけど、サイレント小ボケといいますか、喋ってないときでもずっと小さく何かしらの動きをしてたりして、あれが面白くてすごい好きなんですよね…。プロレスのときも、細かい動きだったりで常に何かを発信していて、ついずっと見てしまう。リアクションひとつとっても個性があって、圧倒的な華を感じる。ツイッターとか見てもなんとなく視点だったり言葉選びが独特。MAOさんはDDTの次世代クリエイティブ部門を担っていく超超重要な人材だなと改めて実感した。

 

悪役3人衆と言えば梅田選手が微妙に照れが残っているというかちょっとだけ恥ずかしそうで、けど硬派な梅田さんだからそれも許されるというかそれがまたいいなって思いながら見てました。乱闘シーンでは梅田さんが一番輝いていた。アフターイベント(この回のアフターイベントは、劇中のある場面を役柄シャッフルで演じてみるという内容)では今まで見たことないハジけた梅田さんが見れてお得感があった。会場が沸いた。

あと飯野さんの醸し出す「この人は何かすごいことをやってくれそう」感が半端ない…(プロレスのときも常にそのオーラが出てる)。けど劇中でセリフは7つだったらしい。笑

 

この日の日替わりゲスト(バーのマスター役)は彰人さん。劇が始まる前にステージでちょこっと挨拶をされた際、演技が本当に苦手なのでナーバスです…とおっしゃっていた。プロレスのときはどちらかというとどっしり構えて落ち着いているイメージの彰人さんが汗を流しながら頑張って演じている姿を見れたのは貴重な体験だった。 

てかみんな普通の高校生とか町の人とか演じてても身体があまりにも立派過ぎるのでそれだけでちょっと面白い。

オネエ高校生を演じる下村さん、“国民の弟”感が強くてかわいかった。レッカさんはどこまでも明るくて、見てるこっちも明るい気持ちになる…!

 

しかしここまで仕上げるのめっっっちゃ大変だったろうなぁ…。なんでプロレスラーなのに舞台やんなきゃいけねえんだって思いを持つ人も少なからずいただろうし、役によっては「いやこれマジで俺がやるの…?」って不満に思う人もいたかもしれない。客の私たちでさえDNAが舞台するって聞いたときは驚いたし、プロレスラーの皆さんの葛藤や苦労は想像を絶するものだったのでは…。舞台稽古もしてプロレスの試合もあって普段のトレーニングもして…そのスケジュールを乗り越えただけでもすごい。特に上野さんは座長として先輩含むメンバーをまとめたり、主役としてもプレッシャー半端なかっただろうし、いやーー考えただけで尊敬する。

 

演劇って全然見たことなかったんだけど、目の前で生身の人間が演じる迫力ってものすごいですね…。新しいことに全力で挑戦する人たちの頑張りが眩しすぎて、その輝きに胸を打たれてしまった。人間美しい…生きてる人間が放つエネルギーまじやべえ…。

つづ井さんが単行本3巻の最後で舞台俳優にハマった気持ちを追体験した気がする。

舞台からビシバシ放たれる初期衝動的なものにも痺れて、バンドを追いかけていた頃の気持ちも少し思い出した。

 

アフターイベントはみんなわちゃわちゃと男子校ノリ全開で楽しそうでよかった。女子全員大喜びだろあれ!ふと上野さんに目をやると、全体を見ながら脱線しすぎないようさりげなーく話を戻したり進行したりとすっかり座長の目で役割を全うしていて、どこまでもできる男…!!とまた感動した。

 

プロレスラーだけでなく俳優の方も複数名出演しておられたので俳優さんのファンの方もいらっしゃってたかもしれないけど、舞台俳優の追っかけもたぶんものすご~~く深い沼なのではと感じた。※「沼」は魅力底なし的な良い意味で使っています。

まあでもこの世に存在するすべてのジャンルは、本気でハマって本気で追っかければすべて沼かもしれない。

そういえば、舞台に出ていた宮澤志暢さん、ちょっとだけ光宗薫さんに似てない?と思って調べたら宮澤佐江ちゃんのお兄さんだった。

 

物販で選手とチェキが撮れるとのことだったけど、勇気が出ず挑戦できなかった。

この中途半端な自意識を早くかなぐり捨てたい。

 

というわけで、めっちゃ楽しい経験だった。

DNAは8月の大会を最後に一旦休止とのことで残念ですが、それぞれの選手がどの道に進んでいくのか注目しながら引き続き応援するぞ!