日記

好きなものと日常

社会人大学人見知り学部卒業見込

先日、オードリーの若林正恭さんの著書「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」が斎藤茂太賞を受賞しましたね。

 

始めに宣言しますが私はオードリー若林さんのことが大好きだ。

人生で一番長く続いていることは、オードリー若林さんを好きだと思う気持ち。

おもしろさ、独特の視点、頭の良さ、表現力、狂気、顔……好き。

正月に南沢奈央さんとの熱愛報道が出たときは数日家に引きこもったくらいに好きだ。

 

表参道のセレブ犬~も大好きな本なのですが、今回はその前の著書について書きたい。

受賞のニュースを見てふと彼の著書「社会人大学人見知り学部卒業見込」を読み返したくなったので、久しぶりにページをめくった。

もう何度も何度も読んでいるのに、グッサグサと心に刺さりときにはえぐられて、最終的にとても自然にがんばろうと思える本。そして、最後に読み返したときよりも「ああ!わかる!」と思う部分が増えていた。

 

 

 

私は大学生のときにこの本の単行本版を購入した。

就活が本当に辛くて、この先どうなっちゃうんだろうという漠然とした(でもとてつもなく大きな)不安の中で毎日を過ごしているとき、すがるような気持ちでこの本を何度も読んでいた。気持ち悪いけど、特に響いた部分を抜き出してノートに書き、いつでも読めるよう持ち歩いていた。それくらい私は若林さんの言葉にすがりついていたんです。

 

当時の私は今よりも抜群に暗くてネガティブだった。

いや今も根暗でネガティブという根本の部分は正直全然変わらないけど、一応社会に出て働いてみて、「あ、暗くてネガティブだと人に迷惑をかけてしまうんだな」と感じた。馬鹿みたいな話ですけど、私は暗くてネガティブです!と宣言したところで誰も助けてはくれないし仕事は片付かないのだなと社会に出てからやっと気付いたんですよ。そう感じてから、無理しすぎない程度の明るさや社交性を身につける、というかそのように装う努力をするようになった。(※傍から見たら変化はないと思うけど、努力をするようになったというのが一番のポイントなので…)

大学生の頃は自分が暗くてネガティブなところをすごくコンプレックスに思う一方で、それを自分の個性だと開き直っているようなところもあり(あーまじ恥ずかしい)改善しようともしていなかったので、これは自分の中で大きな出来事だった。

 

まあ努力をするようになったとはいえ、会社でコミュニケーションの化け物みたいな人たちに囲まれていた入社1年目は特に、毎日「無理!!!」と思っていた。コミュニケーションの化け物はみんないい人たちなんだけど、中にはポジティブが振り切れて、自分がコミュニケーションの化け物ゆえに相手にもコミュニケーションの化け物になることを強要してくる人もいた。始めの頃は自分もポジティブなコミュニケーションお化けにならなければいけないと思い、実際挑戦したこともあったけど、即無理だとわかった。そんなとき、若林さんの言葉に助けられていた。

 

(省略)性格って変えなくていいと思うんですよ。この本を読んでくれた人の手紙に「昔からずっと考え過ぎとかネガティブ過ぎるって言われて、そんな自分が嫌でした」ってたくさん書いてあった。ポジティブな人ってさ、ネガティブな人をポジティブな思考に変えようとするけどそれ違うんだよ。

 ぼくらのような人間はネガティブで考え過ぎな性格のまま楽しく生きられるようにならなきゃいけないんだよ。前にも書いたけど性格は形状記憶合金のようなもの。なかなか変えられない。だから、変えるんじゃなくてコントロールできるようになればいい。

(中略)

真っ当な社会人にならなきゃなんて焦らなくてもいいと思う。納得できないままでいいですよ。ぼくは今の社会を真っ正面から納得できる人なんてイカれてると思いますよ。

 

若林さんという人間が発したこういった言葉に本当に救われていたし、今も救われ続けている。上記以外にも支えとなる言葉が本の中にはたくさんあって、それらの言葉をビート板にしながら私は不格好なりに毎日奮闘した。

 

そして、仕事で出会った、自分とは住む世界が違うコミュニケーションの化け物だと思っていた人たちだけど、その人たちと長期的な付き合いをしていくなかで、長年の仕事経験の中でそういう振る舞いができるようになっていったけど実は根本はネガティブという人もいることがわかってきた。もちろん、生まれつきポジティブお化けという人たちも多数ですが。

そういう人たちと意外と仲良くなれたり、何一つ出来ないと思っていた自分が多少仕事に慣れて小さいことではあるけれど少しずつできることが増えていく経験が詰めたのは嬉しかった。

また、当たり前だけど、ポジティブコミュニケーションお化けでない人が活躍できる場だって世の中にはたくさんあることを知った。確かにポジティブとネガティブだったら前者のほうがいろいろスムーズに進むことは多いかもしれない。けど、決して生まれつきのポジティブだけが世の中の正義ではないんだと思えたことは貴重な経験だった。

 

いやしかし、M-1をきっかけに頭角を現し、売れっ子芸人としてテレビに出まくり、当時は「一発屋だ」なんて各所から言われながらも10年たった今もテレビに出まくっていてさらに情報番組の司会で大御所含む大所帯をまわしまくっていて若林さんはほんとかっこよすぎるだろ。そのくせラジオ等ではいまだにめんどくさいことを言っていて、そりゃ人気衰えないわ。魅力盛りだくさんすぎるだろ。

 

 

私は若林さんのことを男として見ているので熱愛報道にはショックを受けましたが、彼女ができたことやゴルフを始めたこと等々、人見知りだなんだって言ってたくせに裏切りだ!とは思わない。(それを言う人はあまりにも傲慢というか少しズレていると思う)

ただ、お相手が南沢奈央さんという非の打ちどころのない人だったので膝から崩れ落ちて発狂はしましたが。だって、あまりにも…あまりにもお似合いすぎるじゃん…?

熱愛発覚日に初めて南沢奈央さんのインスタをチェックしたら、あの「女優・南沢奈央」の「インスタ」という意味で、趣味といい文体といいそのあまりの完璧さ・非の打ちどころのなさに私は打ちのめされ、ひれ伏すことしかできなかった。いっそ胡散臭いモデルとかと付き合ってくれてたらよかったのに、という捨て台詞をSNSに書いた後、まだ外が明るいうちから布団に入って寝込んだ。

 

本の話に戻りますが、本には相方春日さんについて綴った章もあり、これがまた良いので読んでほしいです。

あとツチヤタカユキさんの話も好きだし、エクレアが登場するあの章も大好きだし、最後の卒業論文という章もめちゃくちゃよくて…挙げだしたらキリがないからこれくらいで止めますが。

 

私の友人や文化圏が似ている人たちはこの本を読んできっと共感したりほろっときたりして気に入るだろうと思うけど、例えば私たちと正反対の人・いわゆる生まれながらのポジティブコミュニケーションモンスターの人が読んだらどんな感想を抱くんだろう?「面倒くさい人だな~」って言いながらも笑いながら読み進めるんだろうか。若林さんにアドバイスしたくなるんだろうか。単純に興味がある。

 

内面を結構さらけだす内容なので、若林さん自身は連載が本になって出版されて後々残ったり連載時より多くの人が手に取れるようになることに大きな葛藤があったと思うけど、私含めこの本に救われた人がたーーーくさんいる。

この本を出版してくださって本当にありがとうという気持ちです!!KADOKAWAさんも!!ありがとうございます!!